経済協力開発機構(OECD)が5日、2022年の学習到達度調査(PISA)の結果を公表した。重点調査の対象となった「数学的リテラシー」の日本の順位は、81の参加国・地域の中で5位(前回6位)だった。結果から何が見えてくるのか。海外の数学教育に詳しい西村圭一・東京学芸大教授(数学教育)に聞いた。
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前回1位だった「北京・上海・江蘇・浙江」が不参加で、順位だけでは比較できないが、OECD加盟国の平均点が下降傾向にある中、日本は高水準で安定している。
ただ、順位や平均点ではなく、習熟度別の分布や質問調査の結果に目を向けると、これから考えなければならない点が、いくつか見えてくる。
一つは、成績を6段階に分けたときの下位層の割合がこの20年、ほとんど変わっていないことだ。今回、数学的リテラシーの日本の平均点は、前回より9ポイント上がって536点になったが、6段階の上位2層(607点以上)が有意に増えて、全体の平均を引き上げた結果であって、下位2層(482点未満)が28%を占めている。
豊かな学びの直しの機会必要
下位層の中には、わからなかった内容を学び直す機会がないまま高校に進み、小学校段階で学ぶ内容も十分理解できていない生徒もいるのではないか。
公表された問題例には、小学…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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