会えばヨリが戻るかもしれない。ラジオパーソナリティーの野村邦丸さん(66)は、大学4年の冬、東京郊外の私鉄駅で彼女の帰りを待っていた。もうダメだとどこかでわかっていたのに3時間、4時間と待ち続けた。寒い。日付が変わり、終電が去った。彼女は――。現れなかった。ちょうど、ラジオアナウンサーの試験にもすべて落ち、留年も決まったころだった。
人の流れが途絶えた駅前の闇に沈み、ジャンパーのポケットに手を突っ込むと、一片の紙が入っていた。
「GO FOR BROKE」
当たって砕けろ。大手企業に…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル