新たに52校で406件の入試採点ミス 開示請求で判明

 茨城県立高校の入試で採点ミスが見つかった問題で、県教育委員会は22日、新たに52校で計406件のミスが判明したと発表した。このうち、合格点に達していたのに不合格となった受験生2人について、追加合格とした。県教委は今後、昨年度の入試答案も一斉点検する。

 県教委によると、合否に絡むミスが新たに発覚したのは境高校と取手第一高校を受験した2人。境では、国語の2問で配点を計6点とするところを4点と誤った。取手一では、国語の別の設問で正解なのに不正解としていた。2人に対して謝罪の上、追加合格を認めた。

 この日会見した大井川和彦知事は「県民の信頼を損ねたことは大変申し訳ない」と謝罪。検証と再発防止策の検討を進める考えを示した。続けて小泉元伸教育長も「将来を決めるかもしれない重要な場面でのミスで、おわび申し上げる」と謝罪し、深々と頭を下げた。原因については「今後詳細に調査する」と述べるにとどめた。

 採点ミスがわかったきっかけは、不合格となった牛久栄進高校の受験生の保護者による全5教科の答案の開示請求だった。請求があった17日に同校が再確認したところ、国語で2件の採点ミスが発覚。受験生1人の追加合格を認めた。これを受け、県教委が改めて今年度に入試を行った県立高校92校1分校の解答用紙を一斉点検したところ、次々にミスが見つかった。

 県教委の説明によると、採点ミスは5教科すべてにわたり、正誤の誤りが142件、配点や部分点のミスが113件、点数の計算漏れが77件など。1校で計53件のミスが見つかったケースもあった。

 県教委のマニュアルでは、採点にあたり答案の正誤、配点ともに各3人がチェックする態勢をとっていたが、見逃していた。採点は各校の教員が行い、基本的に2日間で終える。県教委は、「採点方法がしっかり守られていたか調査する」としている。

 県教委は県立高と県立中、中等教育学校について、昨年度と今年度の答案を全て点検する方針。採点ミスによる追加合格者が出た場合、本人や保護者の意向を確認し、本来合格していた高校に移ることも可能とするよう検討している。(片田貴也)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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