多田晃子
新任の外国大使らを皇居に送迎する馬車列が8日、3年ぶりに再開した。この間、新型コロナの影響で、運行を見合わせていた。沿道では多くの人が立ち止まり、華やかな馬車列を見守った。
午前10時ごろ、フィジーのフィリモネ・ワガバザ大使を乗せた馬車列が東京駅を出発。皇居に向かって、ひづめの音を響かせながら、行幸通りを通過した。皇居・宮殿の南車寄せに到着した大使は「大変快適でした」と話した。しばらくして、パキスタンのラザー・バシール・ターラル大使も馬車列で到着した。
宮内庁によると、馬車列の運行は2020年3月以来。公道などに人が密集するのを避けるため見合わせてきたが、感染状況が落ち着いてきたことから、再開した。
馬車列は、宮内庁、警視庁、皇宮警察本部の計十数頭の馬で構成される。皇居内の厩舎(きゅうしゃ)には、乗用馬17頭と馬車をひく輓用馬(ばんようば)14頭の計31頭がいて、コロナ下で馬車列の運行が出来なかった期間も日々、速度やフォーム、技術などの様々なカリキュラムに従って調教を重ねてきたという。宮内庁の担当幹部は「何より普段の訓練や管理が大事。普段から馬とコミュニケーションを取って信頼関係を築いていなければ、『人馬一体』のような動きは出来ない」とし、「今後も伝統の接遇を大事にしていきたい」と話す。(多田晃子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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