コロナ禍の中で2度目となる「門出の春」が訪れた。新型コロナウイルスの感染再拡大が進むなか、企業や官公庁は1日、入社式などを開いたが、少人数やオンラインによる訓示のみの実施が相次いだ。
1日に東京都庁のホールで開かれた入都式には、新入職員約1700人の代表として4人が参加した。例年は東京芸術劇場(豊島区)に全員を集めて開いてきたが、昨年に続いて取りやめに。代表以外の新入職員は、オンラインで式の様子を視聴した。
迎える幹部側の出席者も限られるなか、式辞を述べた小池百合子知事は「私たちは新型コロナとの闘いという未曽有の難局に直面している。チーム一丸となって乗り越え、開催間近に迫る東京2020大会を成功へと導きたい」とあいさつした。
コロナ対策の中心を担う厚生労働省。今年は約250人が入省したが、昨年に続き、入省式の開催を見送った。担当者は「どのような形で開催するか検討したが、新型コロナが感染拡大している状況を見て判断した」と説明する。
同省では、職員23人が参加する送別会を3月下旬に深夜まで開いていたことが発覚し、会合を主催した課長が事実上更迭された。1日は、田村憲久厚労相が新入職員向けに訓示する動画を事前収録して配信し、各職員がオンラインで閲覧した。新入職員は今後、主にオンラインで1週間程度の研修を受けるという。
「密」を避けて、入省式を開催した省庁もある。
防衛省では例年、地方防衛局など出先機関の採用者も合わせて東京・市谷の本省に集め、大臣が直接訓示してきた。だが、昨年からはコロナ感染防止のため、全国約150カ所の採用先で分散実施している。
1日にあった本省講堂での入省式には、新入職員約500人のうち本省採用の約50人のみが参加。スクリーンに映された岸信夫防衛相の訓示は事前録画され、岸氏や事務方トップの事務次官は感染防止のために出席を見合わせたという。
内閣府では加藤勝信官房長官が訓示し、「政府としてコロナ対策に全力で取り組んでいるところだが、合わせて少子高齢化を始め様々な課題を抱えている。内閣府は、それぞれの役所との連携をしていく重要な役割を担っている」と新入職員にあいさつした。(軽部理人、遠藤隆史、伊藤嘉孝)
企業でも 出席者全員PCRで実施
新年度が始まった1日、福岡県内でも各地で辞令交付式や入社式があった。
福岡県庁では、新規採用職員228人が部署ごとに分かれ、辞令交付式に臨んだ。コロナ対策の中核を担う保健医療介護部には34人が配属。代表して宣誓した渡辺健太さん(31)は「医療のことを一から学んで、県民の安心安全のために取り組んでいきたい」と話した。
知事不在の中、式では知事職務…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル