肺炎を併発することの多い新型コロナウイルス感染症(COVID-19=コビッド・ナインティーン)は、日本でも感染が拡大しています。この新型ウイルスにへの対策は各国で取られており、ウイルス侵入を防ぐ水際対策を強化するため、発生源である武漢市を含めた中国からの入国を禁止する国もあります。今回の新型コロナウイルスの「封じ込め」に向けた各国政府の対応について、元外交官で平和外交研究所代表の美根慶樹氏にまとめてもらいました。
米国やフィリピン、台湾などは「中国からの入国禁止」
新型コロナウイルスの感染者数は、発生源である武漢市を含む中国が群を抜いて多く、世界保健機関(WHO)の23日のレポートによると、感染者数は7万7000人を超え、死亡した人は2445人となっています。増加率は減少傾向にありますが、絶対数はまだ増え続けています。
日本の「国内感染者」数は、厚生労働省の23日の発表では144人ですが、数字は刻々と変化しています。これにクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で感染した630人強 を含めれば計780人弱になります。
韓国では、2月20日ごろから感染者が急速に増加しており、WHOのレポートによると、すでに600人を超えました。その他の国を見ると、シンガポール(89人)、イタリア(76人)を除くと2けた台の前半以下です。
つまり、中国以外では日本と韓国の感染者の多さが際立つ状況となっているのです。
武漢市は1月23日から完全閉鎖されましたが、その措置が講じられる前に約500万人の住民が市外に出ていたことが明らかになっています。
多くの国は、このウイルスの侵入を防ぐために、水際対策を強化しました。具体的には、中国からの入国を制限しています。いまや世界2位の経済大国である中国との通常の人的往来を厳しく制限あるいは禁止すると、観光などへの影響が大きくなります。しかし、新型コロナウイルスの感染脅威から国民を守らなければなりません。どの国もそうしたジレンマを抱えながら対策を講じています。
米国をはじめ、北朝鮮、フィリピン、シンガポール、インドネシア、ベトナム、台湾などの国は「過去14日間に中国への渡航歴がある場合入国禁止」としました。
一方、タイとカンボジアはまったく入国規制を敷いていません。タイでは昨年1年間の外国人旅行者約4000万人のうち、中国人が1100万人と3割近くを占めており、中国人を入国禁止にすると、あまりにも経済的な影響が大きすぎるからだと考えられます。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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