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全国各地で猛暑となるなか、11日に確認された新型コロナウイルス感染者数は午後9時現在で695人と、2日連続で1000人を下回りました。重症者数は10日の時点で171人と、1日に比べて約2倍に増えています。発生当初から多くの患者を診てきた国立国際医療研究センター・忽那賢志先生に話を聞きました。 ◇重症者について、どのような実感を持っていますか?
私の病院でも先週くらいから今週にかけて、重症患者が増えてきている状況です。患者が若者だけでなく、基礎疾患がある人や高齢者でも増えてきていて、それに伴って重症患者の数も増えてきているということだと思います。 ◇今後、重症者の数はどうなりますか?
東京都内はなんとか持ちこたえている状況だと思います。高齢者などのハイリスクな人は、一定の割合で重症化しますので、感染者の数がピークを越えない限りは、このまま増えていく可能性が高いと思います。医療体制については、今のところ、すごくひっ迫している状況ではないと思います。ただ、コロナは発症から1~2週間経ってから重症化するので、このタイムラグを意識したうえで、早めの対応をすることが大事だと思います。 ◇熱中症と新型コロナウイルス感染症の症状が非常に似ています。発熱などの症状が出た時、どう見分けたらいいですか?
「発熱」「意識がもうろうとする」「倦怠感」「頭痛」という症状は両方に見られる症状で、「せきが出る」「味覚・嗅覚障害」はコロナの特徴的な症状といえます。ただ、コロナに感染しても、せきや味覚・嗅覚異常が出ない人もいます。ですので、症状だけで区別することは非常に難しいです。 ◇コロナか熱中症か迷った場合の対処はどうしたらいいですか?
症状だけで判断をするのは難しいので、まずは水分補給など、熱中症を疑った対応をして頂くことが大事です。高齢者などは屋内でも熱中症になることがあるので、熱中症の可能性を考慮することが大事です。症状が出てから、すぐに重症化しやすいのは熱中症で、コロナは1~2週間くらいかけて悪化するのが典型的です。しかし、自己判断はせず、迷ったら、かかりつけ医か近くの病院に対応を相談して頂ければと思います。 ◇熱中症対策とコロナ対策はどのように平行して行っていけばいいですか?
これは本当に難しい問題だと思いますが、例えば、屋内では、コロナ対策としてこまめに換気を行いながら、熱中症にならないよう、エアコンの温度を適宜調整して頂きたいです。マスクについては、屋外で人との距離が十分に保たれていれば感染を広げるリスクは低いので、熱中症にならないためにマスクを外した方が安全だと思います。そして、脱水を防ぐためにもしっかりと水分を摂取するといったことが大事です。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース