TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月13日(月)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「BuzzFeed Japan」元編集長でジャーナリストの古田大輔さんが、政府による“布マスク全世帯配布”について述べました。
◆布マスク全世帯配布、2つの論点
政府が、新型コロナウイルス対策として全世帯に布マスク2枚配る経費を、466億円と見積もったことがわかりました。菅官房長官は記者会見で「配布する1億枚が洗濯により平均20回使われれば、使い捨てマスク20億枚分の消費を抑えられる」との試算を打ち出しましたが、野党は緊急経済対策が不十分だと反発しています。
「布マスク全世帯配布」の発表時には多くの批判がありましたが、古田さんは「そこには2つの論点があった」と言います。1つは効果の信憑性。朝日新聞は「WHOは布マスクを推奨していない」という記事を出すなど、感染対策にならないのではという批判がありました。もう1つは、466億円という予算はかけすぎではないのかということ。
古田さんはまず、布マスクの効果について解説します。布マスクの批判があがった数日後、「アメリカでも布マスクを付けましょうと方針転換」が行われ、またシンガポールではすでに再利用可能なマスクが全国民に配布されていたとか。
そして、その2つの国では布マスクが感染を完全に遮断するまではいかないものの、「感染している可能性のある人が飛沫を減らす効果はある」と言われ、“感染対策になりうる”と定義されたといいます。さらには、公正のマスクは医療現場の最前線の人たちにまわす必要があり、そのためにも布マスクを使うように促されていたそうです。
また今回、世間ではもう1つ「布マスクは1世帯に2枚で足りるのか」ということも問題視されていました。シンガポールでは全国民に配布されましたが、シンガポールの国民は500万人。一方、日本は1億人以上となり、1世帯2枚としても446億円かかってしまいます。それだけに、古田さんは「参考になると思うのが、チェコ(チェコ共和国)」と提言。
チェコでは全国民にマスクを付けるよう指示が出され、国民は自分たちで布マスクを作り、持っていない人に配り始めたそう。そして、それもあってかチェコはヨーロッパでも新型コロナウイルスの感染がそこまで広がっていません。そんな“共助”が広がるチェコを例に、古田さんは「日本人はこういったことが得意だと思う」と指摘します。
◆政府が今こそ打ち出すべきメッセージとは?
そして、最後に「国民に届けるメッセージの在り方」を提示します。「不十分で遅い補償で『自粛しなさい』と言っても辛い人たちがいっぱいいる」なか、安倍首相は優雅に家にいる動画をアップし批判を浴びましたが、そうではなく「チェコの人たちがやっているような“みんなで助け合いましょう”というメッセージの発信の仕方がいい」と古田さん。
さらに、「メディアの人にも訴えたい」と話し、「Boston Helps」というサービスを紹介します。これはアメリカの新聞社ボストン・グローブがその姉妹会社と始めたもので、市民が互いに助け合う、近所で困っている人と助けられる人をマッチングさせるサービスです。古田さんはその有用性とともに、「お互いコロナで大変なときに助け合いましょうという、こういったメッセージが今こそ必要」と話していました。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース