根本匠厚生労働相は25日の閣議後の記者会見で、妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)の実施の在り方に関する検討会を秋ごろに設置する方針を示した。NIPTの実施拡大を巡って関係学会の意見が分かれているほか、認定の医療機関以外での実施事例が増加していることから、国としての対応が必要だと判断した。【松村秀士】
NIPTは、妊婦の血液の中に含まれている胎児のDNAを分析してダウン症候群などの疾患の可能性を推察する診断方法。国内では、日本産科婦人科学会(日産婦)が2013年にNIPTに関する指針を策定し、関係学会と連携して運用されてきた。しかし、認定の医療機関がない都道府県があることなどから、日産婦は実施施設の拡大を目指した新指針の策定を進めてきたが、他の関係学会は実施の拡大に反対の姿勢を示している。
会見で根本厚労相は、「これまで関係学会等の議論を注視してきたが、関係学会の意見が分かれることになれば、妊婦等への不安が広がりかねない」と指摘。検討会を秋ごろに設け、NIPTに関する必要な議論を始める考えを示した。実施施設の要件や妊婦へのカウンセリングの在り方などが俎上に載る見通しだ。
■日産婦、新指針での運用を保留
NIPTは、従来の出生前診断と比べて母体への負担が少ないことなどが特長だが、中絶につながると懸念する意見もある。近年では、認定の医療機関以外での実施件数が増加していることもあり、日産婦は新指針による早期の運用を目指していたが、運用開始をいったん保留することを22日に決定。「厚生労働省での議論の進み方を注視しながら、運用の詳細や開始時期について今後、判断する」との見解を示している。
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