6日正午ごろ、東京・新宿駅の南口側の甲州街道にかかる歩道橋で、30代の男性がマフラーで首を吊って死亡した。
お昼時ということもあり、かなりの人がその様子を見ていたようだ。現場を目撃した人たちが「新年早々首吊り現場を見てしまった」「新宿駅南口で人が首吊りしてたわ」とTwitter上で次々と報告。さらに、スマートフォンで男性の姿を撮影し、中にはその写真をTwitter上に投稿するという行動に移した人もいた。
人通りの多い場所での自殺という情報、ショッキングな写真はリツイートされ、爆発的に拡散した。イランのソレイマニ司令官殺害や日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告の逃亡といった大きなニュースが報じられる中、「首吊り自殺」がTwitterの日本のトレンド1位に。多くのメディアが報じていないにもかかわらず、ネットでは一番の話題になった。
事故や事件が起きると、周りの人がスマホを構えるのが当たり前の時代。去年10月、JR新宿駅で人身事故が発生した時も、事故現場をスマホで撮影する人たちに対し「撮影はご遠慮ください。モラルを守った行動をお願いします」というアナウンス放送が流れたことが話題となった。
SNSで事故や事件の写真が出回ることについて街の人からは、「見て不快に思う人もいるから、(拡散は)判断が大事かなと思う」「事件現場じゃなく災害とかだと写真におさめたい気持ちは分からなくもない」「(カメラを)向けちゃう人がいるもの仕方ないというか、(撮る人も)いるんじゃないか」といった意見が聞かれる。
写真が拡散された背景について、臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「撮影して晒す人は特異な欲求(注目願望・愉快犯的発想・正論モンスター的思考)が心理的背景にある」との見方を示す。ただ、写真を撮影してアップまでしている人はごく少数だとし、「既にアップされている情報にリプライやリツイートするだけなら特別な背景心理がなくとも起こる。一般的に人は常に新しい情報や刺激を求めているので、それへのリアクションは日常の行為になっている」「例えショッキングな写真が対象であっても、ネットでは現実感が薄く、集団では個人の責任が分散される。SNS上には厳格なルールがないため、“価値基準の混濁(何がやってもよいことで、何がやってはいけないことかが明確に認識されづらく、その場の状況や判断、文脈により、基準がコロコロ変わり一定しないこと)”が起こりやすい」とした。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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