新幹線より切実? 在来線やローカル線の「人繰り」事情とは

 新型コロナウイルスの感染急拡大が、東海地方の交通機関にも影響を及ぼしている。乗務員の感染などで運行本数を削減した鉄道会社があり、東海道新幹線などは対応を急ぐ。より危機感を強めているのが在来線やローカル線だ。背景には、乗務員を簡単に融通できない事情がある。

あおなみ線、運転士の感染などで減便ダイヤに

 「13:45発 普通金城ふ頭ゆきは運休させて頂きます」

 1月31日の昼過ぎ、あおなみ線名古屋駅の改札横に、直近の運休情報を知らせる手書きのホワイトボードが置かれていた。ホームにいた名古屋市港区の男性(67)は、運休のため普段なら15分でやってくる電車を30分待つことになり、「『えー』っていう感じだけど仕方ない。もう少し街でぶらついていればよかった」と漏らした。

 名古屋駅と名古屋港・金城ふ頭を結ぶ同線では、運転士26人のうち6人が感染したり、濃厚接触者になったりするなどした。そのため、1月29日から2月13日まで運行本数を約2割削減する減便ダイヤでの運行を始めた。

通常ダイヤには運転士22人必要

 あおなみ線を運営する第三セクター「名古屋臨海高速鉄道」によると、通常ダイヤの維持には22人の乗務員が必要という。乗務員の休憩などを考慮し、1時間に1本ペースで運休することを決めた。朝の通勤ラッシュ時は1時間に6本から5本に減ったが、削減対象の列車の乗車率は50%のため、車内が異常に混み合うなどの影響は出ていないという。

 乗務員への感染が理由で減便ダイヤにするのは今回が初めて。これまでもマスク着用や手指消毒などの感染対策を徹底してきた。感染がわかった乗務員は直近の勤務時間帯が異なることなどから、それぞれ別の場所で感染したとみられる。濃厚接触者になった乗務員も家族の感染が理由だ。担当者は「ご迷惑をおかけして申し訳ない。再度感染対策を徹底したい」と話す。

■新幹線「乗務員のやりくりで…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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