保坂知晃 本井宏人
岐阜県御嵩町の渡辺公夫町長は15日の町議会新庁舎等建設特別委員会で、庁舎の移転事業に必要な農地転用について県への許可申請を取り下げると表明した。県は農地転用の要件として、庁舎の位置を変える条例制定が必要としているが、町議会の同意が得られていない。これまで国の補助金も含めて約6億5千万円(昨年9月時点)がすでに投じられている。
町によると、事業費は約78億円。2012年に現庁舎の耐震性の問題が判明し、新庁舎計画が進められてきた。町は21年10月、移転先の予定地について農地法に基づき、知事に農地転用を申請。22年5月に新庁舎の実施設計を完了した。
地方自治法は、庁舎移転には出席議員の「3分の2以上」が同意(特別多数議決)して制定された条例が必要と定めている。町議11人のうち、4人が昨年8月に「新庁舎移転の白紙撤回を求める声明」を公表し、条例制定は見通せない状況となっていた。
県は、確実な庁舎移転の裏付けとなる条例制定が見込めないことから、今年に入って町の農地転用の申請を不許可とする意向を町に伝えた。
町は建設予定地の地権者の同意を得られれば、申請を取り下げる手続きに入る。(保坂知晃 本井宏人)
甘い見通しで支出 6億円無駄に?
岐阜県御嵩町の新庁舎建設計画が一時ストップすることになった。建築予定地の農地転用について県が許可しない方針のため、移転地を確保できないからだ。町は計画に反対する町議を説得すれば、許可が出るだろうという甘い見通しで約6億5千万円(昨年9月時点)を投入してきたが、血税が無駄になる可能性も出てきた。
15日の町議会新庁舎等建設…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment