高橋俊成
新潟大医学部の男性教授が投稿し、2011年に海外の医学誌に掲載された論文が「二重投稿」にあたるとして8月30日に撤回されたことが分かった。大学は「当時の規定では不正行為に該当しない」として、教授への処分や公表をしていない。
同大研究推進課などによると、二重投稿と認定されたのは医学部の男性教授が執筆した消化器腫瘍(しゅよう)に関する論文。外部からの指摘を受け、昨年1月に同大が調査委員会を設置。調査の結果、2010年に別媒体に掲載された自身の論文に類似点があったことから、昨年末に二重投稿と認定された。今年初めに同大から医学誌側に二重投稿を連絡した。調査に対し、男性教授は「二重投稿について十分な認識が無かった」と説明したという。
掲載当時の新潟大の学内規定では、二重投稿は研究不正の対象外で、教授への処分などはしていない。新潟大は今回の事案を受けて今年4月ごろ、二重投稿も不正に含めるよう規定を改めた。今後、二重投稿が確認された場合は処分の対象にもなりうるという。
医学誌(電子版)は8月30日に「この論文を撤回した」と発表した。(高橋俊成)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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