犬猫の繁殖業者やペットショップの飼育環境を改善、悪質業者を淘汰(とうた)するために、具体的な数値規制を盛り込んだ「飼養管理基準省令」が昨年6月から、段階的に施行されています。そんななか長野県松本市では繁殖業者による大規模な動物虐待事件が発覚しました。新省令は適切に運用されているのか――。全国の自治体を調査しました。
新省令の運用状況は?
飼育していた400匹以上もの犬を虐待したとして、動物愛護法違反の罪に問われた松本市内の元繁殖業者の男に対する初公判が3月16日、長野地裁松本支部であった。被告は「間違いありません」と起訴内容を認めた。
飼養管理基準省令が昨年6月に施行され始めたばかりだった昨年秋、この大規模な動物虐待事件は発覚した。関係者の間では、業者を指導、処分できていなかった地元自治体の責任を問う声とともに、全国の現場で新省令が適切に運用できているのかどうか、不安視する見方が広がった。そこで朝日新聞は昨年12月、動物愛護行政を担うすべての都道府県、政令指定都市、中核市に調査を行った(129自治体、回収率100%)。
繁殖業者やペットショップに対する監視や指導を担う自治体はそのうち107。新省令を適切に運用するカギとなる業者への立ち入り検査について尋ねると、今年度中に全業者への立ち入りを終える自治体は35にとどまった(予定も含む)。経過措置が設けられたケージの最低面積にかかわる基準などが施行され始める、2022年度中に終える予定の24自治体をあわせても、5割強程度しか、立ち入り検査のめどが立っていないことになる。
業者に対して、新省令の説明…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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