埼玉県蓮田市で大正時代から続く酒屋の3代目、西山昌男さん(70)の元に、今年も地元の蔵元から搾りたての生酒が届いた。
酒の名前は、毎年変わる。
今年は3種類。「愉快」という酒に目がとまった。
蔵元「神亀(しんかめ)酒造」は、醸造アルコールで増量して人工調味料で味を調えた「三倍醸造酒」が全盛だった戦後に、全量を純米酒に切り替えた酒蔵として知られる。真っ先に売ったのが西山さんで「正統派の酒を自分が支えている」と誇らしかった。
瓶を彩るラベルの文字は独特だ。ときには踊っているようで、ときには勇猛で、ときにはさみしい。「名高い書道家が書いているのだろう」。西山さんはそう思っていた。
事務所に入ってきた女性は
30年ほど前、蔵元の事務所…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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