佐賀県の山口祥義(やまぐちよしのり)知事は11月19日に開催された定例会見で、整備方針を巡って紛糾している九州新幹線西九州ルート新鳥栖~武雄温泉間について記者の質問に答えた。
九州新幹線西九州ルートは、武雄温泉~長崎間が2022年度中の開業を目指してフル規格で工事が進められているが、残る、在来線での整備とされていた新鳥栖~武雄温泉間については、8月27日に与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームが、フリーゲージトレインの開発断念を受けて、フル規格による整備方針を国土交通省へ求めることを確認したことに、佐賀県が反発している。
これについて山口知事は「フル1択とか、そういったところに佐賀県は協議の場に着かないとかいう話をよくされてしまうんだけれども、5択でと我々は言っているんです」と述べ、協議拒否の姿勢を否定。
標準軌に改軌するミニ新幹線方式かフル規格化の2者択一ではなく、1992年11月に地元合意している「スーパー特急方式」、2007年12月に3者合意しているフリーゲージトレインによる「FGT方式」、2016年3月に6者合意している武雄温泉駅で在来線と連絡する「リレー方式」も含めた5者択一で議論を進めていくべきだとした。
また、新鳥栖~武雄温泉間が報道で「未整備区間」と言われていることに対しては「整備するなんて決まっていないので、そこの言い方については、ぜひ皆さん気をつけていただきたいなというふうに思っています」と述べ、嫌悪感を示した。
年末にかけての国の予算折衝に向けては、新鳥栖~武雄温泉間フル規格着工へ向けた環境アセスメント予算の計上を求める声があるとされているが、国交省の鉄道局長は佐賀県の同意なしに盛り込むことを否定していると言われており、山口知事は「おおよそ佐賀県内のアセスを佐賀県の合意もなく勝手にやるというのは信じられないことだと思っています」「もう全くその環境にないと思っています」と述べ、明確な拒否姿勢を示している。
《レスポンス 佐藤正樹(キハユニ工房)》
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