新幹線開業から23日で1カ月が過ぎた。沿線駅周辺は、観光客でにぎわう。開業関連イベントに加え、今月からの全国旅行支援が追い風になっているようだ。
長崎市内の国重要文化財・眼鏡橋や長崎駅の「長崎街道かもめ市場」では、多くの観光客や修学旅行生でにぎわいをみせている。県旅館ホテル生活衛生同業組合によると、長崎市内の客室稼働率は9月の65%に対し、10月は71%に上昇する見込みだ。
「肌感覚としては、コロナ前の7、8割くらいに戻ってきている」と、組合の塚島宏明専務理事。全国旅行支援と、開業にあわせたJRグループと自治体による大型観光企画「デスティネーションキャンペーン(DC)」も後押ししていると分析する。
県内では、誘客につなげるDC関連のイベントも多い。「全国的にも『長崎』『佐賀』の露出が増えたときに旅行支援が始まり、旅先に選ぶ人が増えたのでは」と塚島さん。「訪日外国人客(インバウンド)の数が回復すれば、コロナ前に戻るのではないか」と期待を込める。
長崎県の大石賢吾知事は24日の会見で「開業効果を持続させて県内各地に波及させていくために、受け入れ態勢の整備や二次交通の充実に今後も取り組んでいきたい」と述べた。
新駅が出来た嬉野温泉(佐賀県嬉野市)も新幹線の集客効果に沸く。同温泉観光協会の山口剛代表(大正屋副社長)によると、新幹線開業日から1週間の宿泊客は、前年同月から倍増。10月も1・5倍程度で推移しており、平日の宿泊客も増えたという。
10月11日から始まった旅行料金の割引制度「GO!! 佐賀旅 キャンペーン」の効果も大きいとみる。「割り引く対象が全国の旅行者に拡大したので、今まであまり見なかった北海道や沖縄からのお客様も。コロナが落ち着いてきて、人が動き出したのでは」と山口代表。
さらに、海外からの個人旅行が解禁され、韓国などからの旅行客も徐々に増え始めているという。
ただし、これからが正念場だという。「イベントやキャンペーンが落ち着いた後を見据えて、どう対策していくかです」(岡田真実、長沢幹城)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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