「東京大改革を都民と進めていく」。東京都の小池百合子知事(67)は12日、4年前の都知事選と同様に政党推薦を受けずに再選を目指す意向を強調した。新型コロナウイルス対策での存在感が目立つ小池氏だが、これまでには市場移転延期や東京五輪・パラリンピックの経費適正化などで既定路線にとらわれない“小池流”も展開。衆目を集める構想を打ち上げ、現実路線に落ち着くことがあり、「パフォーマンス」など批判も浴びてきた。 小池氏の政治姿勢が鮮明になったのは平成28年8月末、約2カ月後に迫る築地市場の豊洲市場への移転について「安全性への懸念が解消されていない」などとして延期したときだった。 その直後、都がそれまで豊洲市場の土壌汚染対策で建物下に設けるとしていた盛り土が実際にはなかったことが発覚。責任の所在があいまいだった都の体質を浮き彫りにした。 小池氏が「築地は守る、豊洲は生かす」として五輪後の築地再開発に関して市場機能を残す意向を示した際は市場関係者から「困難」との声も上がり、その後、軌道修正を図る形となった。 五輪では3会場の建設を見直し、既存施設を活用する案を検討。国際オリンピック委員会(IOC)から難色を示されるなどし、3会場の整備費削減で落ち着いた。都関係者内で「パフォーマンス」の声も上がったが、都幹部の1人は「知事が動かなければ、削減はなかった。五輪経費への世間のチェックが厳しくなったことは良かった」。 公約の「満員電車ゼロ」はコロナ禍でテレワークの推進策に力を入れ、緩和された面もあった。「待機児童ゼロ」は未達成だが、今年4月時点で約2300人(速報値)となり、平成29年から約7割の大幅減。ただ、都議会自民党は今月の都議会定例会で、小池氏による「ロックダウン(都市封鎖)」への言及などを挙げて「できないことを口にする」と指摘した。
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