日韓関係の悪化を理由に、日本高野連が「日の丸」などのロゴをシャツから外したことに対し、高野連の電話に意見が殺到して、パンク状態になっている模様だ。
ネットの反応を見ると、高野連の措置に理解を示す声はあるが、疑問や批判も目立つ。高野連の判断はどんな影響を及ぼすのだろうか。
■「配慮も必要かも」「スポーツに政治を持ち込むな」
「代表が自国の国旗隠すなんて聞いたことない」「こんなの日本チームじゃねえよ」「日の丸自粛するぐらいなら行くな」「日本の高校生の気持ちはどうなる?」…
韓国で開催される野球のU-18 W杯に向けて、高野連の事務局長が今回の措置を報道陣に示したと、2019年8月27日にニュースになると、コメント欄などではこんな不満が噴出した。
NHK報道などによると、日本代表の選手には、「日の丸」や「JAPAN」のロゴを入れた代表用シャツを止めて無地のポロシャツを着てもらうとし、選手らは翌28日、実際にこのポロシャツ姿で日本を出発した。
事務局長は、その理由について、「韓国の国民感情に配慮して、日本を前面に出すのはやめようと思っている。日韓関係が悪化していることと、スポーツをすることは別なのでわれわれは真摯にプレーすることが大事だと思う」などと説明したという。
この発言について、ネット上では「何をされるかわからない恐怖があると思う」「配慮も必要かもしれない」「トラブルを避けるためにも妥当な措置だ」と理解する向きもあった。一方で、突っ込みも多く、「そこまで配慮するならなぜ行く」「スポーツに政治を持ち込むな」「こういう忖度が若い人の教育に悪影響となる」などと高野連を皮肉る声も多数寄せられている。
著名人や政界からも、様々な意見が
また、旭日旗については従来から韓国の反発が強いが、今回は日本の国旗に関する「配慮」だっただけに、「これはやばいな 悪しき前例になるぞ」「言われてないのに配慮すればまた相手のカードになるだろ」「つぎからは日の丸もクレーム対象になる」と心配の声も漏れていた。
著名人や政界からも、様々な意見がツイッターに書き込まれている。
アルピニストの野口健さんは、「片方だけが外すという事が果たして未来志向なのか?」などと高野連を批判し、元警視庁通訳捜査官の坂東忠信さんは、「野球ができてもアイデンティティを封じられる、今後の国際化時代に活躍すべき子どもたちの心の傷を考えてほしい」と訴えた。
政界では、三原じゅん子参院議員(自民党)が「スポーツの世界で、日の丸を背負って闘う日本代表選手たちに、韓国への配慮とか必要なのでしょうか」と疑問を呈し、和田政宗参院議員(同)も「いつも通り、国旗やJAPANの文字入りシャツで入国すれば良い。日本代表であり高校生であり、韓国国民もさすがに敬意を払うはず」などと指摘した。
菅義偉官房長官は、8月28日の記者会見で「高野連の方針や個別の対応について政府としてコメントは控えたい」と述べたうえで、「政府としては両国関係が困難な状況にあっても、両国の将来のために相互理解の基盤となる民間交流やスポーツ交流はこれからもしっかり続けていく考え方に変わりはない」と説明した。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)
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