日本大学理事長の田中英寿容疑者(74)が、背任事件で起訴された医療法人前理事長らから2018年と20年に受け取った所得を隠し、約5300万円の所得税を脱税したとして、東京地検特捜部は29日、田中容疑者を所得税法違反の疑いで逮捕し、発表した。田中容疑者はこれまでの任意聴取に現金の受領自体を否定していた。
特捜部は日大板橋病院をめぐる計約4億2千万円の背任罪で、理事長側近の日大元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人「錦秀会」(大阪市)の前理事長・籔本雅巳被告(61)を起訴している。
発表などによると、田中容疑者は18年と20年の2年間で、籔本被告と井ノ口被告から複数回にわたって受け取った計約1億円超の所得を隠し、約5300万円の所得税を免れた疑いが持たれている。趣旨は板橋病院の設計業者選定をめぐる謝礼のほか、20年9月の理事長再任や田中容疑者の誕生日の祝い金など複数あるという。
特捜部は籔本被告が秘書に出金を指示したLINEや銀行の出金記録といった客観証拠のほか、田中容疑者への現金提供や名目を説明した両被告の供述から、授受は固いと判断した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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