日本大学アメリカンフットボール部の学生寮(東京都中野区)で乾燥大麻と覚醒剤成分を含む錠剤を所持していたとして、警視庁は5日、同部の部員の男子学生(21)を大麻取締法違反と覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した。警視庁は3日、寮を両容疑で家宅捜索し、捜査していた。
捜査関係者によると、男子学生は7月上旬、寮の部屋にある鍵付き収納ボックスに、乾燥大麻と覚醒剤成分が入った錠剤を所持した疑いがある。収納ボックスは施錠でき、本人しか開けられないものだった。男子学生は周囲に対し、大麻の所持を認め、錠剤については「使っていない」と話しているという。
捜査関係者などによると、日大側に「アメフト部の寮内で大麻を使っている部員がいる」との情報が寄せられ、大学側は部員らの聞き取りなどをしていた。7月6日ごろに寮内で大麻のような植物片などが見つかった。
その約2週間後、日大側から警視庁に「大麻のようなものが見つかった」との報告があり、警視庁が押収。植物片と錠剤の鑑定を進め、大麻と覚醒剤成分が含まれていることが確認された。警視庁は、報告まで約2週間かかった経緯についても調べるとみられる。
関係者によると、日大は7月22日、部員の保護者向けの説明会を開催。その後に薬物の問題が表面化すると、日大は8月2日、「違法な薬物が発見されたとの事実は確認できておりません」とするコメントを公表。翌3日に警視庁の家宅捜索を受け、4日には、林真理子理事長らがアメフト部に関する記者会見を8日に開くと発表した。(御船紗子)
日本大学アメリカンフットボール部での薬物をめぐる経緯
7月上旬以前 警視庁や日大側に薬物に関する匿名の情報提供
7月6日 日大側が学生寮内で植物片などを確認
7月19日 日大から警視庁に植物片などが見つかったと連絡
7月22日 日大が保護者説明会
8月2日 日大が「違法薬物は確認できていない」と表明
8月3日 警視庁が学生寮を家宅捜索
8月4日 日大が「8日に記者会見を開く」と表明
8月5日 警視庁が部員を逮捕
(捜査関係者らへの取材による)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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