日本大学前理事長の田中英寿容疑者(75)が脱税容疑で逮捕された事件で、田中前理事長が東京地検特捜部の調べに対し、「妻が共謀で起訴されるなら自分が全責任を負う」と供述したことが、関係者への取材で分かった。現段階では取引業者らからの現金受領は否定したままだという。
特捜部は田中前理事長を11月29日に所得税法違反容疑で逮捕。関係者によると、妻と共謀の上、2018年に1千万円、20年に1億840万円の計1億1840万円のリベート収入などを申告せず、計約5328万円を脱税した疑いがある。申告した所得は基本的に理事長としての報酬と不動産関連の収入だけで、両年とも5900万円前後にとどまっていたという。
妻はこうした現金の一部を受け取ったほか、前理事長の資金全般を管理して税務申告も担っていたとされ、特捜部は脱税に共謀した疑いで捜査している。
田中前理事長は最近になって「妻が共謀で起訴されるようなことは避けなければならない。それなら自分が全部責任を負う」と検事に伝えたという。自らの現金受領は否定し、妻の受領も認めてはいないという。
妻は体調不良で入院中で、特捜部は事情聴取が可能かどうか慎重に検討している。
計1億1840万円の内訳は、医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)前理事長の籔本雅巳被告(61)=背任罪で起訴=が計7500万円▽金沢市の建設業者が3千万円▽大阪府内の設計事務所が1千万円▽日大元理事・井ノ口忠男被告(64)=同=が自ら拠出したり複数の取引業者らから集めたりした計340万円とされる。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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