日本大学のアメリカンフットボール部での違法薬物をめぐる問題で、検証を行った第三者委員会(委員長・綿引万里子弁護士)が31日、調査報告書を公表した。昨年11月時点で大麻使用を認めた部員がおり、自身のほかに7人の先輩部員の名前もあげていたことを指摘。その上で、大学側の当時の一連の対応が不適切だったと認定した。
31日に公開された報告書によると、昨年10月29日、保護者から部員の大麻使用のうわさがあるとの情報提供がアメフト部指導陣に寄せられた。だが、指導陣は部の事務を所管する「競技スポーツ部」の部長や競技スポーツを担当する沢田康広副学長に報告せず、独断で部員121人に簡易な聞き取りを実施。複数部員の大麻使用を疑わせる情報を得たにもかかわらず、名指しされた部員が否定したことから、「事実は認められない」と結論づけた。
その後11月27日になり、大麻使用を疑われていた部員1人が使用を認め、他7人の先輩部員の使用も名前をあげて部の監督に申告。これを受け、監督はアメフト部長や競技スポーツ部長に事実を報告したが、部長らは、沢田副学長らに報告しなかった。
12月には、競技スポーツ部長と沢田副学長に対し、警視庁からもアメフト部内での大麻使用を疑う情報提供を受けたが、対応を組織的に検討することもなく、薬物の講習会を実施することで対応を終えた。同11日の保護者会では、監督はこういった事実に全く触れず、「現時点で問題が発生しているわけではない」などの報告をした。
報告書は、こうした一連の対応を「不都合な情報には目をつぶり、得られた情報を自分に都合よく解釈し、自己を正当化するという姿勢」を「如実に表すもの」と指摘。「大麻使用が寮内で一定の広がりを持っている可能性があるならば、これに対して採るべき組織的な対策や措置について何ら考慮されていない」と断じた。
また、競技スポーツ部長が上…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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