太田原奈都乃 大藤道矢
全国で相次ぐ強盗事件との関連が指摘される山口県岩国市の事件で、強盗未遂などの罪に問われた渡辺翼被告(26)=東京都江戸川区=に対し、山口地裁(山田雅秋裁判官)は2日、懲役2年6カ月(求刑懲役4年6カ月)の実刑判決を言い渡した。渡辺被告は1日に朝日新聞記者の接見に応じ、「闇バイト」の求人を通じて事件に関わった経緯を語った。
判決によると、渡辺被告は昨年11月7日未明、他の4人の男=いずれも強盗未遂罪などで起訴=と共謀し、岩国市内の60代男性宅に侵入。男性の家族をカッターナイフで脅し、結束バンドで縛るなどの暴行を加え、金品を奪おうとしたが未遂に終わった。山田裁判官は量刑理由について「指示を受ける立場にあったとはいえ、重要な役割を果たした」と述べた。
この岩国事件は、関東一円での広域強盗事件との関連が指摘されている。勾留されている山口刑務所で接見した渡辺被告は、一連の事件で指示役として名前が挙がっている「キム」を名乗る男らとやり取りして犯行に至った経緯を語った。
渡辺被告は、借金返済のためSNSで仕事を探していた時「日当100万円以上」と法外な額の「闇バイト」を見つけた。応募のメールを送ると、「家に行ってタンスの中の通帳を取ってくるだけ」と仕事内容を伝えられ、求められた通りに免許証や顔写真の画像を送った。
やり取りを続けるうち、キムから電話で「タタキ」(強盗)の仕事でまず広島に行くよう言われた。「自分は見張り役で、『向こうに慣れている人がいるから従ってくれ』と指示された。交通費を振り込まれ、やるしかないと思った」
広島県から岩国市に移動しながら、見知らぬ男4人と合流。渡辺被告を含めた3人はキム、残る2人は「ルフィ」を名乗る男から指示を受けていた。
岩国市の民家に押し入り、5…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル