日本政府は、互いに総領事館を閉鎖し合うなど、対立を激化させる米中の動向を注視している。米国が対中強硬姿勢を一層鮮明にする中、日本としては同盟国である米国と歩調を合わせた対応が求められそうだ。 米中の総領事館閉鎖について、菅義偉(すが・よしひで)官房長官は27日の記者会見で「状況を注視しているが、第三国の措置はコメントを控えたい」と直接的な言及を避けた。外務省幹部は「外交的にはかなり大きなことだ。注意深く見守っている」と述べ、事態の推移に関心を寄せている。 菅氏は米中対立について「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で国際協調の重要性は高まっており、世界第1、第2の経済大国である米中両国の関係の安定は国際社会にとっても極めて重要だ」と指摘。その上で「同盟国の米国との強固な信頼関係の下にさまざまな協力を進め、中国とも意思疎通を図っていく考えに変わりはない」と強調した。 日本政府は、ポンペオ米国務長官が演説で中国を強く非難したことを「米国の強いフラストレーション」(別の外務省幹部)と捉えており、米国が8月末の開催を模索する先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)でも中国問題が議題になるとみられる。 日本政府は、中国による香港国家安全維持法(国安法)の導入をめぐって、重大な懸念を表明したG7の外相声明を主導した経緯があるが、サミットで改めて中国をめぐる日本の立場や対応を明確にする必要がありそうだ。(原川貴郎)
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