新型コロナウイルスワクチン接種の電話予約をめぐり混乱が続くなか、感染拡大も止まらない状況にあって、愛知県の大村秀章知事が政府への不満と苦言を述べた。
「昨年8、9月に諸外国は必死に交渉してワクチンをかき集めた。なぜ日本だけできなかったのか。問われるのはそこじゃないか」
10日、愛知県の大村秀章知事は記者会見で、政府の責任論に言及した。
県内は感染拡大が止まらない。8日に過去最多575人の感染を確認、10日も4日連続の400人超えとなる426人となった。入院者数も9日夜時点で最多の782人にのぼった。
4月20日から名古屋市の飲食店で営業時間短縮などの「まん延防止等重点措置」に取り組んだが効果が出ず、12日から「緊急事態宣言」で県下すべての飲食店が時短や酒類提供をやめる要請の対象になる。
大村氏は「『人流』が明らかに起こっていることの表れ。行動の自粛、変容を丹念にお願いすることに尽きる」と手詰まりの状況を認めた。その上で「ワクチンを打たない限り感染拡大が収まらないのは、天然痘撲滅以来わかっていることだ。何でもっとワクチンをくれないのかと言いたくもなる」と政府への不満は止まらなかった。
ワクチンは政府の供給を待つしかないが、県は接種を加速化させるため大規模接種会場の設置を進める。24日に県営名古屋空港ターミナルビル(豊山町)、藤田医大(豊明市)に開設予定だ。大村氏は、両会場では承認申請中の米モデルナ製ワクチンを「必要数提供すると政府の確約を得ている」と話し、「届き次第、打って打って打ちまくる」と息巻く。
名古屋市も自民党市議団の提案を受け、大規模接種会場を瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)に設ける検討を始めた。建て替えに向けて閉鎖中で、7~9月、会議室やトレーニング室などを開放する想定だ。3カ月で数万人規模の接種を見込めるという。(岡本智、関謙次)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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