記者コラム 「多事奏論」 編集委員・長沢美津子
東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が始まった8月24日の翌朝、東京の豊洲市場を歩いた。というか、放出をめぐる受け止め方の違いや、中国による日本の水産物の全面禁輸をめぐってネット上に飛び交う言葉のとげとげしさに、たまらず飛び出してきた。
議論される「科学」や「政治」、個々の「感情」とは異なる「営み」の現場とでも言おうか。私にとって豊洲は魚の先生。産地と消費地の間に立って働く目から、何を見ているか聞きたかった。
豊洲の水産仲卸で作る東京魚市場卸協同組合理事長の早山豊さん(73)は、市場への影響を聞きに次々と来るメディアに、こうくり返していた。
「産地から安全性が担保され…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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