聞き手・石川智也
世界と伍(ご)する大学をつくろうと政府が創設した「大学ファンド」。巨額の官製ファンドの運用益から研究費を捻出し、数大学に配るという新たな「選択と集中」は、低迷著しい日本の研究力復活の起爆剤となり得るのか。「大学改革支援・学位授与機構」の特任教授として国内外の大学改革の実情を見てきた竹中亨さんに聞いた。(聞き手・石川智也)
大学活性化には「効果が乏しい」
日本の財政事情を考えれば、大学の一定の「選択と集中」は不可欠です。
全ての大学が幅広く研究や人材育成を一手に担った1980年代までのあり方は、大学の使命が多様化した現在は通用しない。基礎研究と応用研究、職業実践教育とリベラルアーツ(教養教育)など、身の丈に応じた大学ごとの役割分担は避けられません。
旧帝大でさえ運営費交付金の減額で研究費や人件費を削らざるを得なくなっている中、巨額の支援を得られる大学ファンドに期待する事情もよく分かります。
ただ、今回の枠組みは、大学活性化には効果が乏しいと思います。
大学全体の研究力に関する国…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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