「ChatGPT(チャットGPT)」などの生成AIの規制のありかたについて、議論が進みます。主要7カ国(G7)の閣僚宣言などで「責任あるAI」が掲げられる中でも、各国の温度差は目立ち、日本は規制に慎重です。
哲学者で、関西外国語大准教授の戸谷洋志さんは、「日本社会にはAI信仰がある」と指摘しつつ、「チャットGPTに目を奪われていると、もっと基礎の部分の変化を見失う」とも話します。どういうことでしょうか。
戸谷洋志さん「正直に言うと…」
――チャットGPTが急速に浸透しています。どんな功罪があると思いますか。
「チャットGPT=悪」とするとわかりやすいですが、現時点ではそこまで言うことができません。正直に言うと、チャットGPTが、アマゾンのネット通販(EC)やグーグルのGメールのように誰もが使うように浸透していくかは微妙なところで、今はおもちゃのようなものだと思います。
それよりも、チャットGPTに多くを求める社会の問題、私たちの問題が大きいと思います。
――どういうことでしょうか。
まず、「立ち止まって考えた…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル