村山斉の時空自在<44>
このコラムで何度か触れた大型粒子加速器「国際リニアコライダー(ILC)」を日本に建設する話が世界で盛り上がっている。
ビッグバンで起きた反応を再現して調べるのが加速器だ。バークリー発祥の技術で、欧州の世界最大の加速器LHCなど世界のほとんどの素粒子研究用加速器が円形だ。丸いトンネル内で粒子を両方向にぐるぐるまわし、ハンマー投げのように加速して最後にガチャンとぶつける。
狭い範囲に大きなエネルギーを集め、「リトルバン」を起こすわけだ。この方法で宇宙初期の様子をどんどん解き明かしてきた。コライダーは「ぶつける装置」の意味だ。
宇宙の始まりに迫るには、エネ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル