日本原電に異例の行政指導、敦賀2号機の資料出し直しへ 審査長期化

山野拓郎 佐々木凌

 日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の原子力規制委員会の審査で原電が提出する資料に誤りが続発している問題で、規制委は5日、行政指導として原電に対して8月末までに審査資料を出し直すことを求める方針を決めた。資料が再提出されるまで審査を中断するという。2015年以来続いている審査がさらに長期化するのは避けられない事態だ。

 規制委が事業者に対してこうした対応を求めることは異例。原電幹部を呼んで意見を聞いた上で、正式な対応を決めるという。

 敦賀原発2号機をめぐっては、規制委の有識者会合が原子炉建屋直下の断層を「活断層」と判断する報告書をまとめた。敷地内の浦底断層が動くと、一緒に動くおそれがあるという。国は活断層の真上に原子炉建屋などを設置することを認めていない。一方で原電は「活断層ではない」として15年11月に再稼働に向けた審査を申請していた。

 審査の過程で、20年に原電による資料の書き換えが発覚。規制委は21年に「信頼性が失われた」として審査の中断を決めた。本社への立ち入り検査などを経て「新たな業務プロセスが構築された」として審査が再開された昨年12月以降、新たな資料の誤りが計165件が見つかり、実質的な審査に入れない状態が続いていた。(山野拓郎、佐々木凌)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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