日本年金機構(東京)が年金加入者に送る「ねんきん定期便」などの入札をめぐる談合事件で、機構が事前に談合情報を得ながらも通報していなかったとして、公正取引委員会が近く機構に対し、速やかな通報など対応の改善を求める方針を固めた。談合防止を図るべき発注機関の対応として、不適切だったと強く問題視しているという。関係者への取材でわかった。
この事件では、印刷業者26社が、ねんきん定期便などの印刷や発送の準備業務の入札や見積もり合わせで受注調整をしていた疑いが持たれている。公取委は近く、各社に排除措置命令や計約14億円の課徴金納付命令を出す方針を固めている。
機構や複数の関係者によると、機構は2016年1月、談合があるとの情報を入手。急きょ、月内に予定していた入札を取りやめ、業者に聞き取りをした。だが各社は談合を否定。機構は談合を疑わせる事実は確認できないとして、公取委に通報せず、追って入札を再開し、談合が行われた。
公取委もこうした経緯を把握。再発防止には業者の行政処分だけでなく、機構に対応改善を申し入れる必要もあると判断した模様だ。
朝日新聞が入手した機構の内…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル