日本最北端の宗谷岬沖約1キロの「弁天島」(北海道稚内市)には冬から春にかけてトドが大集結する。国内最大の上陸場で、ロシアと北海道を季節移動する際の「中継地」とみられている。その実態を探るため、道内の研究チームが今春、弁天島で捕獲した1頭に発信器を取り付け、回遊行動を追跡した。
トドは海氷(流氷)が勢力を増す前に北海道に来遊して越冬し、翌春、ロシア・サハリンなどの繁殖場へとオホーツク海を北上する。周囲約500メートルの弁天島には毎冬、数十頭が上陸していた。20年ほど前から数が増え、2018年5月には島を埋め尽くした。観察されたトドは周辺の遊泳個体と合わせると6千頭以上。これまでの最大数となった。
国立研究開発法人水産研究・教育機構の水産資源研究所釧路庁舎(北海道釧路市)と北海道立総合研究機構・稚内水産試験場などの研究チームは今年3月13日、知床・羅臼沖でトドの捕獲の実績がある漁業者の協力を得て、弁天島での捕獲に成功。体重200キロほどの中型個体(雌雄未確認)で、麻酔で眠らせた後、頭部にエポキシ樹脂で発信器を装着し、発信器が自然に外れる夏の換毛期まで人工衛星で追跡した。
トドにとって3月はまだ越冬…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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