日本貿易保険元顧問、入札前に過剰な飲食接待、権限強く犯行か (産経新聞)

 政府が全額出資する日本貿易保険(NEXI、東京都千代田区)のシステム開発に関する入札妨害事件で、NEXI元顧問、浅原泉容疑者(72)=小金井市=が落札した情報セキュリティー会社「ラック」(同区)側から入札前に十数回の飲食接待を受けていたことが30日、捜査関係者への取材で分かった。浅原容疑者はNEXI前社長から推薦され顧問に就任。同社で強い権限を持っていたとされ、警視庁捜査2課は社内のチェックが行き届かなかったことが、情報漏洩(ろうえい)を繰り返した一因になったとみて調べている。

 関係者らによると、NEXIは平成27年9月に浅原容疑者と業務委嘱契約を締結。当時理事長だった前社長が次期基幹システムの開発にあたって、IT企業出身のシステム専門家で業界関係者とのコネクションを持つ浅原容疑者に目を向け、推薦したという。

 前社長は過去に日本政策金融公庫に在籍、同公庫のシステム統合に携わった浅原容疑者の手腕を評価したとされる。

 NEXIの顧問に就いた浅原容疑者は、過去に外部から招いた専門家とは異なり個室が与えられていた。担当部署には10人程度の職員しかおらず、浅原容疑者は突出した存在だった。浅原容疑者との業務委嘱契約の形態は社内の制度が一部、適用されず、業者との連絡に使っていた社用メールの内容を詳細にチェックする体制は取られていなかった。

 捜査関係者らによると、ラック側は浅原容疑者と同公庫の業務を通じて知り合い、NEXIが29年3月にシステム開発について実施した総合評価方式の一般競争入札に参加。浅原容疑者はラック側から飲食接待を十数回受け、独断でラック側への情報漏洩を繰り返したという。

 浅原容疑者は入札の提案締め切り後には、ラック側が有利になるよう評価基準も変更。入札には別のIT大手も参加したが、ラックが約50億円で落札した。浅原容疑者は29年3月ごろ、ラック側に重要な非開示情報をメールで送信したなどとして逮捕された。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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