高嶋将之
日本PTA全国協議会(日P)が今夏に広島県内で開く全国研究大会の記念講演の登壇者をめぐり、PTA会員と元会員の有志が17日、登壇者が決まった経緯や理由などについて問う公開質問状を主催者側に送った。来月17日までの回答を求めている。
質問状では、登壇予定となっている人工知能研究者の黒川伊保子さんについて「『男性脳・女性脳』といった言葉を強調した言論活動をしてきた」と指摘、「男女の性差を殊更に強調する論法であり、ジェンダー平等や男女共同参画社会、性の多様性を認める社会の推進に反するものではないかという疑問がある」などとした。その上で、黒川さんの講演が決まった経緯や理由について回答を求め、「再検討の必要がある」としている。
男女の行動や思考の違いは脳の性差によるとする考えは「ニューロセクシズム」と呼ばれ、批判がある。黒川さんの講演を知った、PTA会員で教育学者の西郷南海子さんらが他の会員と連携し、質問状を提出することになったという。
17日にオンラインで記者会見した、PTA会員の太田啓子弁護士は「ジェンダーバイアスを崩していかなければならない時代に日Pがこういった講演をするのは許しがたい」と話した。
日Pは取材に、「今後、役員会で相談し対応してまいります」とコメントした。(高嶋将之)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル