日産自動車元会長カルロス・ゴーン被告(69)が8年間で計約91億円の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、金融商品取引法違反罪の共犯に問われた元代表取締役グレッグ・ケリー被告(67)の控訴審の第1回公判が19日、東京高裁であった。一審・東京地裁判決は7年分について共謀を認めず無罪とし、1年分だけの共謀で有罪にしており、ケリー元役員側は全面無罪を、検察側は全面有罪を求めた。
ケリー元役員は昨年3月の地裁判決後に米国に戻っており、出廷しなかった。ゴーン元会長は海外に逃亡したままだ。
地裁判決は、ゴーン元会長の2010~17年度の報酬は計約170億円だったが、有価証券報告書(有報)には各年度に支払った計約79億円だけを開示し、残りの計約91億円は退任後に払う「未払い報酬」として管理して記載しなかったと認定した。元会長と、検察と司法取引して捜査協力の見返りに不起訴になった大沼敏明・元秘書室長については、全8年間の虚偽記載罪を認める一方、ケリー元役員は17年度分のみの共謀を認定し、懲役6カ月執行猶予3年の有罪と判断した。
大沼氏はケリー元役員への報告などを証言したが、地裁は、検察官への「迎合」や他者を陥れる「巻き込み」といった司法取引の危険性を指摘。客観証拠などの裏付けがある17年度分以外の証言の信用性を否定した。
証言の信用性めぐり、改めて応酬
この日に始まった控訴審で検…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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