数量政策学者の高橋洋一がニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月26日放送)に出演。日産が新たに設置した指名委員会等設置会社から見え隠れする日産の思惑について解説した。
日産自動車で株主総会、西川社長続投で体制を刷新
日産自動車は25日に定時株主総会を行い、西川(さいかわ)社長の続投を含めた新しい取締役11人の選任案が可決された。西川社長はルノーとの経営統合について否定的な考えを示し、関係性を協議する場を設けるとの考えを表明している。
飯田)25日、横浜市で開かれた定時株主総会ですが、2800人余りが出席。西川社長はカルロス・ゴーン被告の事件について改めて陳謝したということですが、今後の経営体制などについて議論が行われたということです。
高橋)分かりにくいですね。日産はルノーの子会社ですが、営業実態としては日産のほうが大きく、屋台骨を支えていることが背景にあります。これはどちらが主導権を取るかという話です。
日産がルノーから離脱することになれば簡単ですが、そこまではなかなか行かない。ルノーとしても日産に逃げられたら大変だから、しがみついている。そうするとどちらが上かという話になる。結論がすっきり出ないときには、両方そこそこ納得して落ち着くのが普通です。
今回もそうです。ルノーは日産を閉じ込めておくために役員を送り、日産も本当は撥ねつけると面白いのだろうけれど、撥ねつけるところまでは行けずに受け入れた。それでもルノーから離れたいという気分が日産にあるから、「透明性を高める」という名のもとに、わけの分からない指名委員会方式を置いた。
指名委員会等設置会社とは、何を言っているのか分からないですよね。これは社外取締役を増やして透明にするための措置ですが、日産の方にルノーの影響力を弱めたいという気持ちがあるのです。それはルノーの方も分かっているから、役員を送って来る。「こんなことをしたらルノーは株主総会で暴れますよ」と言うから、結果的には役員を受け入れて、かつ指名委員会等設置会社ということで少し新しくなったという結論です。
飯田)この改革案も当然、株主総会に関わる。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース