仲川明里、柏樹利弘
日系ブラジル人の40代女性が愛知県安城市から在留カードの記載内容などを理由に生活保護の申請を一時拒否された問題で、女性が県弁護士会に人権救済を申し立てた。生活保護の申請拒否や支給の遅れは人権侵害にあたり、市職員から「日本で生活できないなら、国に帰ればいい」などと発言されたとしている。
申立書によると、女性は日系3世で夫や子ども2人と暮らす。夫が10月末に無免許運転の疑いで逮捕されて生活が困窮。11月1日に生活保護を申請したところ、窓口で応対した職員から「外国人には生活保護は出ない」と虚偽の説明をされて拒まれた。女性は同月22日にも弁護士と市役所を訪れたが、職員から「国に帰ればいい」などと言われた。同月30日に申請が受理された後も、職員から生活保護費を県営住宅の滞納家賃の返済にあてるよう求められたという。
申し立てた女性は、市役所で過去にも外国人への不適切な対応がなかったかを調べ、改善策をとるよう求めている。
安城市社会福祉課は、「国に帰ればいい」という職員の発言について、「(女性が)入国管理局や領事館に相談した際に帰国を促されるようなことがあれば、それに応じる必要性もあるのではないかと伝えた」と説明。滞納家賃の返済を求めたとする点についても、「本人にも支払い義務があると発言したが、支払いにあてるようにという説明はしていない」としている。(仲川明里、柏樹利弘)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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