SMBC日興証券による株価操作事件で、金融商品取引法違反(相場操縦)罪で起訴された、法人としての同社とエクイティ本部の元副本部長・杉野輝也被告(57)の初公判が28日、東京地裁であった。法人代表の近藤雄一郎社長は「間違いありません」と起訴内容を認め、「深くおわびする」と謝罪した。杉野被告も起訴内容を認めた。
一連の事件で裁判が開かれるのは初めて。日興側は他にも元副社長・佐藤俊弘被告(60)ら5人が起訴されているが、起訴内容を否認しているなどの理由で公判は分離されている。
起訴状によると、日興は2019年12月~21年4月、東証1部上場(当時)の10銘柄について、市場が閉まる直前に自社資金で大量の買い注文を入れるなどし、終値を安定させる操作をしたとされる。杉野被告は1銘柄で起訴された。
検察側の冒頭陳述などによると、10銘柄は大株主の保有株を市場外で買い取って投資家に転売する「ブロックオファー」取引の対象だった。売買価格は取引日の市場の終値が基準となり、日興は差益を得る仕組みだった。
この取引には投資家の「空売り」を誘発して株価の下落を招く構造的な問題があり、下がりすぎると大株主が取引を中止し、差益も得られなくなる恐れがあった。日興は、同業他社のような対策を取らずに空売りを「黙認」して投資家を確保しつつ、自社資金による買い支えを繰り返していたという。
生々しいメールのやり取りとは
買い支えは自己売買部門トッ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル