日航機に乗った夫、焦げた腕時計が返った 38年前に抱いた恨みは…

【動画】遺品の謎 ーある家族の数奇な100年ー

 アナウンサーが「東京発大阪行きの日本航空123便がレーダーから姿を消しました」と伝えていた。

 1985年8月12日。当時52歳だった池田知加恵さん(90)がニュースに気づいたのは午後7時過ぎ。大阪の自宅ソファで横になり、テレビをつけた。会社役員の夫隆美(たかよし)さん(当時53)が東京での出張から帰る予定の時間帯だった。

戦争、大震災、航空機事故。90歳の女性がくれた一通のLINEから三世代にわたる遺品の謎を追いました。そこに浮かんできたのは、100年の激動の歴史でした。

 524人を乗せたジャンボ機が消息不明? そんなことがあるのだろうか。

 その日の朝、東京に向かう隆美さんを伊丹空港まで車で送った。

 「気をつけて行ってらっしゃい。帰りの迎えはどうする?」

 「タクシーで帰るよ」

 そんなやりとりをした。車を降り、アタッシェケースを手にさっそうと歩く後ろ姿が、ずっと目に焼きついている。

長男が言った「これ、おやじのだ」

 隆美さんは福岡県小倉市(現…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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