旦過市場の記憶をアートに タイ人美術家「個人の歴史も織り交ぜ」

 昨年2度の大火に見舞われた北九州小倉北区の旦過市場一帯。復興や再整備計画が進む中、変わりゆく市場の歴史や人々、街の記憶をアート作品として残そうと、タイ出身の現代美術家が創作に挑んだ。

 タイと福岡を拠点に活動するナウィン・ラワンチャイクンさん(52)。未知の土地で出会う人々の人生に触れ、その土地の記憶を再構築して表現する作風が持ち味で、世界最大規模の国際美術展ベネチア・ビエンナーレに招待された実績がある。日本各地の現代美術展でも活躍する注目のアーティストだ。

 太鼓や鉦(かね)のにぎやかな音が町中に響く小倉祇園太鼓が開かれていた7月15日、ナウィンさんは旦過市場の山車の巡行に同行した。これまでの取材成果と合わせ、タイ・チェンマイのスタジオで絵画を制作。映画の看板画を思わせる鮮明な色彩で、20枚のキャンバスを組み合わせた幅約7メートル、縦約5メートルの絵になった。市場関係者が語り手を務めた映像作品も制作した。

 きっかけは、長年親交がある北九州市立美術館長の後小路雅弘さん(69)から受けた相談だった。

 旦過市場近くで生まれ育った…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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