城真弓
北九州市小倉北区の旦過市場一帯で2度目の火災が起きてから、8月10日で1年が経った。再建に向けた歩みが進む一方、もともとあった再整備計画の進め方などをめぐって市に対する反発も起きており、進捗(しんちょく)に影響が出ている。
旦過市場は大正時代からある商店街。レトロな雰囲気が名物となっていた一方、老朽化が進んでおり、北九州市は2021年に再整備の事業計画を決定していた。
この計画では、第1段階として22年度に市場の南側部分を解体し、23年度中に跡地に商業施設を建設。その後、残るエリアの店も第2~4段階に分けて新施設などに順次移して解体していく。27年度に完了する予定だった。
だが、昨年4月と8月に2度大規模な火災が発生し、再整備対象エリアの店も焼けた。第2段階とされたエリアも予想以上に老朽化が進んでいることが判明。関係者によると、第2段階のエリアの店に対し、市は第1段階と同時に解体する前倒し案を打診したという。
施設完成までは焼け跡に建てた仮設店舗に移ることも提案され、一部の店は実店舗より狭くなると反発。市の進め方に不信感を強めているという。第1段階のエリアでさえ補償契約が進んでいるのは約半数といい、計画全体のスケジュールはめどが立っていない。
2度の火災では、計約5200平方メートルが焼けた。市によると、被災した74店舗のうち、すでに再開、もしくは再開予定の店は54。再開を希望しながらめどが立っていない店は4あり、廃業予定は15という。(城真弓)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル