九州大学旧箱崎キャンパス(福岡市東区)にある旧九州帝国大学時代からの四つの建物が、国の登録有形文化財(建造物)になる。国の文化審議会が18日、文部科学相に答申した。どんな歴史や魅力を持つ建物なのか。登録に合わせ、九大が開いた報道向け説明会に参加し、案内してもらった。
建物群は工学部本館と本部事務室棟、建築課棟、門衛所。大学移転に伴い更地となった跡地の東側、正門付近にまとまって立つ。現在は今後の活用に向けた整備工事中のため、工学部本館の一部を除き、非公開となっている。
九大で建築史学を教える堀賀貴(よしき)教授が案内してくれた。まずは工学部本館。九大のシンボルとして受験雑誌の表紙などでもよく使われる。完成は1930(昭和5)年で、外壁は装飾が少なく、茶色のタイル張り。多数の溝がある「スクラッチタイル」が使われている。当時の流行で、今では再現が難しいという。
内部も見どころが多い。1階の大講義室は、黒板のある演壇を谷底に約400席が緩やかな傾斜で広がり、まるで劇場のよう。アンティークな照明も当時のものがそのまま残る。4階の会議室は、大きな壁画に特注のいすと机が並び、厳かな雰囲気だ。昭和天皇来校のために設けられたが実際にはかなわず、主に教授会で使われたという。
次に、向かいに並んで立つ本…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment