謝罪ではなくおわび、被害者という言葉も簡単に使わない――。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が7日に開いた記者会見で、田中富広会長は頭を下げつつ謝罪とは一線を画す姿勢を強調した。元信者たちからは「パフォーマンスだ」との声が上がった。
「献金に際し、家庭事情や経済的事情に対して配慮が不足していた。当法人の指導が行き渡らず、つらい思いをされた皆様方に率直におわびしないといけない」
東京都渋谷区で開かれた記者会見。田中富広会長は冒頭、献金問題への道義的責任に触れ、勅使河原(てしがわら)秀行・教会改革推進本部長とともに約10秒間、頭を下げた。
ただ、「謝罪」や「被害者」という言葉は避けた。「おわびは謝罪か」と問われると「謝罪は被害者が特定されて使われる。犯罪性を含めて法廷で議論されていくことが始まったので謝罪という言葉とは距離を置かなければならない」と説明した。また「被害者が不明確であり、被害金額も不明確ななかで、私たちは被害者という言葉は簡単に使わない」「本当に被害なのか法廷で議論されていく。安易に使えない」とも語った。
会見がこのタイミングになったことについては「(返金要請への対応で)報告書に記された状況を読み、法人の犯罪ではなくても、我々の不足故に心痛めている方がいたことを具体的に知った。いつかおわびする機会を持たないといけないと思っていた」と話した。
「怒りもわいたが、あまりの反省のなさにあきれ返った」
元信者の60代女性は、仕事の合間にテレビで会見の一部を見た。「形として頭を下げただけ。『おわび』と言いながら、解散命令請求についても争う姿勢で、自分たちは悪くないと全く反省していない。教団として本当に謝るなら、韓鶴子(ハンハクチャ)総裁が謝罪すべきだ」と話す。
元信者 「解散命令から逃れ、世間の目をごまかすため」
田中富広会長は会見で、高額献金について「2009年以降、社会的に問題とされるような行き過ぎた行為をしないよう、徹底した指導をしてきた」と説明した。だが、女性は10年に入信し、自分が信者であることを隠して教団への勧誘を繰り返し、ほかの信者に「祈願書代」を払ってもらうために電話をかけたり、実際にお金をおろさせるために金融機関まで車で送迎したりしていたという。「教団の弁明は真っ赤なうそ。解散命令から逃れ、世間の目をごまかすためのパフォーマンスに過ぎない」
被害者への対応について「お…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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