「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)への高額献金の被害を実名で訴えてきた高知県在住の橋田達夫さん(65)が7日、同県の浜田省司知事と面会し、「被害者を1人でも救いたい」として、県に被害救済への支援を求めた。
橋田さんはこれまで、信者の元妻が高額献金を続けたことが理由で離婚したことなどをメディア取材や野党合同ヒアリングの場で訴えてきた。今回の面談は、橋田さんが県民の会や共産党の県議を通じて知事に要望し、実現した。
橋田さんは、32年前に入信した元妻が多額の献金を繰り返したり、長男が2年前に自死したりして苦しい思いをしてきたと説明し、
「本当に家庭崩壊。教団のやっていることは平和ではない」と訴えた。そのうえで、高知で被害者の会を立ち上げる考えを示し、「県と被害者の会が連絡を密にして、幅広く被害者が声をかけてくれるような状態にしたい」として、県に相談窓口の設置を求めた。
浜田知事は「こうした被害を二度と起こしてはいけない」と応じ、国会で議論が続く被害者救済新法の成立を前提に「(救済の)枠組みができたら、国と連絡をとって県としてやるべきことをやりたい」と述べた。
面談後、橋田さんは「知事自身に、被害者の声を聞いていただいた。(被害救済へ)万全の態勢になると思っている」と話した。
教団は会見の際に、橋田さんの主張を否定するような元妻の証言を動画で流している。教団幹部が事前の約束をせずに橋田さんの自宅を直接訪問したとして、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士から抗議を受けたこともある。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル