早々と対応決めた大学も 「共通テストなしで合否判定を」の通知受け

前田伸也、安井健悟、上野創

 新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テストの本試験も追試験も欠席せざるをえなかった受験生について、文部科学省が11日、各大学に対して個別試験での合否判定を求めたことを受け、早くも対応を表明する大学が出始めた。ただ、対応を決めかねている大学も少なくない。

 福岡大は12日、3月の後期入試(医学部医学科以外)に振り替える方針を明らかにした。

 2月の前期入試の中で、共通テストを利用した「単独型」と「併用型」の入試を実施する。共通テストを受けられないと受験できなくなるが、コロナの影響の場合は特例措置として、前期の受験料を充てる形で後期試験を受けられるようにするという。後期の受験料が安い場合は差額分を返金する。また、振り替え受験をせずに福大の受験を断念した場合は受験料の返金に応じる。

 文科省は11日に各大学に発出した通知で、個別試験の再追試を新たに設けることも求めたが、福岡大の担当者は「今の時期から追試向けに、公正に判定できる適切な入試問題を用意するのは難しい」と説明した。

 昨年の一般入試で約13万6千人が出願した近畿大では、共通テストを利用した方式を全15学部で実施している。入試担当者は「国公立大学の入試は共通テストがなければ成立しないが、我々は個別試験だけで判定できる」。今年の一般入試は8日間の日程を設けており、12日、発熱の症状などで個別試験を受けられなかった受験生らに受験日の振り替えや検定料の返還に応じると、ホームページで発表した。こうした対応によって「受験の機会は十分に確保できている」という。

 一方、東北大早稲田大などは12日の取材に、「通知を受け、対応を検討中」と答えた。大阪教育大の担当者は「準備が何もできておらず、正直戸惑っている」。文科省が個別試験の再追試を設けるよう求めていることについては「様々な選択肢を検討するしかない」と語った。(前田伸也、安井健悟、上野創)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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