福岡・天神にある福岡市役所本庁舎15階の職員食堂が31日、30年以上続いた営業に幕を下ろす。九州最大のビジネス街にありながら、メニューの多くはワンコイン(500円)以下で眺望も楽しめる。隠れた「穴場」の閉店に、市民から惜しむ声も上がった。
食堂は1988年の本庁舎完成にあわせて開業した。ビル群を見渡せる眺望の良さと、日替わり定食(500円)やチャンポン・皿うどん(いずれも480円)など、豊富で手頃な価格のメニューが魅力。職員以外も利用でき、昼時には会社員や地元の高齢者らでにぎわっていた。
一方で周囲には飲食店やコンビニも多く、職員の利用は限られていた。食堂を運営する市職員厚生会が2013年に行ったアンケートで「利用している」と答えた職員は1割程度にとどまった。福利厚生の見直しの一環として、市は14年度に営業終了の方針を決めた。
営業が残り1年を切った昨春からは、新型コロナウイルス対策に追われた。対面を避けるため約220あった座席は半分に。巣ごもりの強まりも影響し、19年12月に推計で月約1万7千人いた利用者は、昨年1年で約1万1千人に落ち込んだという。
営業終了が近づくにつれて別れを惜しむ市民が訪れ、最近はコロナ禍前のようなにぎわいをみせていた。会社員の日高さゆりさん(55)は徒歩圏内にある職場から多い時は週4日通った。「提供が早く量も多い。これから他の店を新規開拓するしかない……」。開業時から利用する同市南区の井上和範さん(75)は「安くて、一人でも気楽に使いやすかったのに」と残念がった。
開業時から食堂を委託運営する…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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