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新型コロナウイルスワクチンの、高齢者への接種予約をめぐり、「#ニュース4U」取材班にも多くの声が寄せられている。混乱の原因はどこにあるのか。改善策はないのだろうか?(矢島大輔、山根久美子)
スマホ操作にオロオロ、パスワード入力するうちに…
横浜市の女性(77)の元に接種券が届いたのは今月10日。すぐにスマートフォンで予約を試みた。だが30分ほどかけてパスワードやメールアドレスを入力するうち、予約が締め切られてしまった。指定された番号に何度電話してもつながらなかったという。
一度は諦めたが、友人から「近所の病院が直接予約を受け付けてくれる」と聞き、慌てて電話して予約。後日、別の病院で高齢の女性が「ワクチンの予約を受け付けてくれませんか」「どこなら予約できますか」と尋ねていたのを見た。予約を断られ、途方に暮れる女性を見ていたたまれなくなった。
「私も予約が取れなかったら、今頃病院をはしごして聞いて回っていたかもしれない。あまりに不親切で、高齢者の尊厳を踏みにじるやり方だとさえ感じている」と語った。
群馬県の男性(73)は、接種券が届いた翌日午前9時から300回以上、指定された番号に電話をかけ続けて予約した。「インターネットで予約できれば良かったが、やり方がわからなかった」。政府は65歳以上の高齢者向け接種について「7月末までの完了」を掲げている。運良く自分は5月中に1回目の予約が取れたが、友人は1回目の接種予約が8月になったという。「国の進め方にはあきれるばかりです」
静岡県焼津市のパート従業員の女性(49)は、70代の母親から「お父さんが怒っている」と電話で助けを請われた。自分でスマホから予約しようとした80代の父。暗証番号の入力ミスを繰り返すうちログインできなくなり、怒りだしたという。女性が代わりにスマホで予約した。「たまたま私の仕事が休みだったからすぐに対応できたけど、タイミングがずれたら予約できなかった。不平等な予約システムだと思います」
埼玉県所沢市の大学教員の女性(50)は今月中旬、遠方に住む義母から「ワクチン予約の電話がつながらない」と泣きそうな声で電話で訴えられた。
義母の代わりにネット予約し…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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