早期避難のために…線状降水帯予測の最前線と課題(テレビ朝日系(ANN))

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記録的豪雨に見舞われた熊本県では、多くの学校が再開し、罹災(りさい)証明の発行なども、始まりました。14人が犠牲になった特別養護老人ホーム『千寿園』には13日、安倍総理が視察に訪れました。『千寿園』での犠牲者を含め、熊本県では64人が死亡しています。県によりますと、その多くが高齢者で、約8割にあたる52人が溺死や、その疑いで亡くなりました。また、未明の豪雨だったためか、被害者の多くが屋内で発見。急激に浸水した住宅などで、避難できないまま亡くなったとみられます。 しかし、逃げようにも逃げることが困難な状況だった人もいます。井上三郎さん(81)は、屋外で見つかりました。井上さんの自宅は2階がありません。井上さんの妻・節子さん(77)は、あの朝のことについて、「2人で市役所に『助けてください』と電話した。『避難しろ』といっても、いっぱい濁流が道に流れているから逃げ場がなかった」と話します。市内全域に避難指示が出されたのは、午前5時過ぎ。井上さん夫婦は、朝、外に出て、向かいの家に助けを求めました。気づいた住民は、2人に向かってロープを投げたといいます。節子さんは「私が水に入って、近所の人がロープを投げてくれて、それにつかまって助かったけど、お父さんは、次にロープを流したときに、キンモクセイにもつかまったりしてたけど、力尽きて、亡くなった」と語ります。 毎年のように、各地で大きな被害をもたらす“線状降水帯”。茨城県つくば市にある防災科学技術研究所では、線状降水帯の発生を予測し、早期の避難を目指すための研究が進められています。去年からは、九州の9つの自治体と、実証実験を始めていました。防災科学技術研究所の清水慎吾主任は「今回においては、夜間に発生する線状降水帯の前日の日没前の夕方に、実証実験を行っている自治体に早期警戒のメールを送ることが出来た」と話します。3日夕方、熊本市に送られたメールには『最も発生の可能性が高い時間帯は3日午後6時~4日午前6時と予測』とあります。実際に発生したのは、4日午前0時40分~午前9時。多少のずれはあるものの、大まかな時間は当たっていました。この情報を受け取った熊本市の担当者は「今の技術ではピンポイントで線状降水帯が起きるかどうかわからない。もっと技術が上がり、ピンポイントでわかるようになれば、ものすごく使えると思う」と、「あくまで参考情報とする」としています。清水主任は「すぐに避難指示・避難勧告になるような情報レベルの段階ではない。8割くらいが空振りになっている部分もある。この弱点をどう補っていくか。そこが研究の大きな課題になっている」と話します。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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