国立の旭川医科大学の眼科学講座のウェブサイトで、同講座の教授に就任していないはずの吉田晃敏学長が、「教授」として紹介されていたことがわかった(現在は削除)。同講座では昨秋に担当教授が辞職し、教授ポストは空席になっている。大学側は吉田学長が一時教授代行を務めていた、と説明するが、学内からは「代行が教授を名乗るのはおかしい」との声が出ている。
旭川医大の眼科学講座のウェブサイトでは、「あいさつ」のコーナーに、吉田学長が「教授」として登場していた。そこでは、「眼科学教室では、現在考え得る最善の治療法を提供すると共に、新たな可能性を求めて、日々、最先端の研究を続けています」などと述べていた。
眼科学講座の教授ポストは、前任の教授が昨年10月25日付で辞任し、その後空席となっている。にもかかわらず、吉田学長が「教授」を名乗っていたことについて、同大は「学長は眼科の教授ではない。ただ前任教授が退職した後の昨年10月26日から11月4日まで教授と准教授が不在だったため、学長が教授代行を務めた」と回答した。
吉田学長の「あいさつ」は23日午後にウェブサイトから削除され、その後、「医局員紹介」で「吉田学長」として紹介されていた写真も削除された。
吉田学長はもともと眼科が専門で、2018年までは学長と眼科学教授を兼任していた。ただ、同大の教授の一人は「教授が欠員となるなどした時、別の講座の教授が教授代行を務めることはある。それでも、代行している講座の教授を名乗ることはしない。さらに代行が終わった後も教授を名乗っていたことになる。おかしい」と指摘する。
吉田学長を巡っては、滝川市立病院からの高額報酬問題や新型コロナウイルスのクラスター発生時の不適切発言などを巡り、教授らから解任を求める署名が学長選考会議に提出され、同会議で解任の適否が審議されることになっている。(本田大次郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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